院長ブログ

歯周病のお話 1 ~健康な歯周組織~

 

さて、今回より歯周病について少し詳しく触れていきたいと思います。

 

昨今、多くの方が歯周病について見たり、聞いたりする機会が増えたとはいえ、まだまだ「歯周病ってなんだろう?」あるいは、「聞いたことはあるけどよくわからない」といった方がほとんどだと思います。

 

そこで、少しでも理解を深めていただくため、歯周病とはどんな病気であるかをお話する前に、正常で健康な歯周組織、つまり歯周病ではない歯の周りの組織の状態から一緒に見ていきたいと思います。

 

皆さん、健康な歯周組織(=歯ぐき+歯の周りの骨+歯の根っこ+コラーゲン線維)とはどんなイメージをお持ちでしょうか?

まず、わかりやすいお口の写真からみてみましょう。

健康な歯周組織(写真1)

この写真1をみると、歯ぐきが痩せている様子や赤くなって腫れている様子は見られず、引き締まったピンク色の健康な歯ぐきであると言えます。

先ほども簡単に触れましたが歯周組織とは、主に歯肉(=歯ぐき)、歯槽骨(=歯を取り囲む骨)、セメント質(=歯の根っこ)、歯根膜(=歯槽骨とセメント質をくっ付けるコラーゲン線維)の4つから構成されているのですが、健康な歯周組織はこの4つ、いずれにも炎症がない状態をいいます。

 

次に写真1ではわからない健康な歯槽骨や歯根膜、そしてセメント質について模式図で確認してみましょう。

健康な歯周組織(写真2)

写真2の上の3つ(歯肉溝、歯肉上皮、歯肉結合組織)は歯肉を細かく分類したものです。

この図より、歯肉と通常見えない3つの歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質)の関係がわかると思います。

ピンク色の歯肉の下にはしっかりと張り出した歯槽骨、そしてキレイに並んだコラーゲン線維の歯根膜と均一なセメント質が存在しております。

 

以上の健康な状態を理解していただいた上で次回より歯周病の話しをしていきたいと思います。

 

ちなみに、以下の指標を参考に早速ご自身の歯ぐきを鏡でチェックしてみてくださいね。

※歯ぐきの健康セルフチェック※

①歯茎の色は薄いピンク色をしている?

 

②歯の周りの歯茎が引き締まっている?

 

③歯と歯の間の歯茎は三角形で先がとがっていて隙間がほとんどない?